不動産売却に関する物件調査とは?どんな事をするの?売主の役割は?内容や流れを解説!

不動産売買時に関する物件調査とは?どんな事をするの?売主の役割は?内容や流れを解説!


不動産売買において「物件調査」とは、取引を安全に進めるために物件の詳細な情報を確認・把握するプロセスのことです。売主としてもこの調査に協力することが重要です。この記事では、不動産売買時の物件調査について、「調査方法」「目的」「内容と流れ」などを詳しく解説します。


■ 不動産売買時に関する物件調査とは?調査方法とは?目的は?調査内容と流れとは?

1: 調査方法とは?

物件調査には以下の方法があります。

  • 公的資料の確認
    法務局や市区町村役所で登記簿謄本、公図、地積測量図、都市計画図などを取得し、物件の権利関係や法的制限を確認します。農地法や各種許可についても調査します。

  • 現地調査
    物件の状態、境界線、接道状況、周辺環境などを実際に現地で確認します。

  • 専門家への依頼
    土地家屋調査士、司法書士、行政書士等に依頼して専門的な視点から調査を実施する場合もあります。

  • 売主(所有者)へのヒアリング(使用状況、借入状況、占有者、付帯設備、リフォーム履歴、紛争等を確認します。)


2: 目的は?

物件調査の目的は、不動産取引のリスクを最小限に抑えることです。具体的には以下の点を確認します。

  • 権利関係の明確化
    売主が正当な所有者であること、また物件に抵当権や賃借権などが付いていないかを確認。

  • 法令制限の確認
    建築基準法や都市計画法などの法律に基づく制限を把握。

  • 物件の適合性確認
    実際の利用目的(住宅用、商業用など)に適しているか。


不動産売買をする際、契約後(売却後)のトラブルは避けなければなりません。物件を公正に取引することが不動産会社の役割です。慎重に物件調査を行う必要があります。

調査が不十分で取引相手に損害を与えてしまった場合は、宅建業法のよる処分を受けたり、損害賠償責任を負うことがあります。なによりも取引相手である売主買主にも被害が及ぼしてしまうので調査が重要になります。


3: 内容と流れは?

物件資料の収集
登記簿謄本、公図、測量図、建築確認通知書などの資料を集めます。売主としては、これらの資料を提供する準備が必要です。また過去の資料も確認し、滅失登記がされているかなど様々な事を確認します。インフラの確認も行います。上下水道、都市ガスの埋設状況や引込状況等

②現地調査
物件の現状を確認し、登記内容との一致を確認します。境界線が不明瞭な場合、専門家による境界確定が必要です。

現地調査は一番重要です。

・道路状況(幅員、接道、高低差、標識、電柱や支線、水路、舗装状況等)

・地勢(高低差、傾き、擁壁等)

・境界の状況(境界標の設置等)

・越境の状況(ブロック塀や擁壁、フェンス、樹木、建物本体、建物設備(換気扇のフード等)、隣地からの越境物等)

・敷地の上空(高圧線、電線、電話線、ネット線等)

・周辺環境(火葬場、墓地、反社事務所、騒音、におい等)

・敷地と建物の状況(公図や測量図との整合性、上下水道の確認、建物内部と外部、水路占用の橋梁、浄化槽の点検状況、プロパンガス会社等)

・事件事故、災害(過去の事件事故、災害(浸水等)、隣地の状況、近隣状況等)

③権利関係の確認
物件に設定されている抵当権、地役権、賃借権などの有無をチェック。

④ 法令制限の確認
物件が建築基準法や都市計画法に適合しているか確認。用途地域や容積率、建ぺい率を確認します。

⑤売主へのヒアリング

・使用状況(居住、賃貸、占有者等)

・借入の状況(残債額、滞納等)

・賃貸物件の場合(収入賃料、敷金、滞納等)

・分譲マンション等の場合(管理費、修繕積立金、滞納、管理会社からの通知等)

・増改築を行っていた場合(建築確認書、設計図面、見積書等)

・税金等(固定資産税の滞納、管理費や修繕積立金の滞納等)

・トラブル(隣地、近隣との紛争、過去のトラブル等)

・近隣の状況(騒音、におい、振動、浸水、電波障害、嫌悪施設等)

⑥市場調査と取引事例調査

上記の調査結果をもとに、市場の物件流通状況や過去の取引(成約)事例を確認します。小学校区や周辺町などの市場や取引事例も参考に価格を推定し決定します。


4: 調査の重要性は?

物件調査を怠ると、取引後に以下のようなトラブルが発生する可能性があります。

・売主が所有権を持たない場合の契約無効リスク

・境界トラブルや法令違反により建築ができない問題

・物件の隠れた欠陥(雨漏り、シロアリ被害など)によるクレーム

特に売主は、調査に協力することで買主の信頼を得られ、スムーズな売却が可能になります。


5: まとめ

不動産売買時の物件調査は、取引を安全に進めるための重要なプロセスです。売主としては、必要な資料の準備や調査への協力が求められます。物件調査をしっかり行うことで、買主に安心してに取引をしてもらう事や、リスクを回避し、円滑な取引が実現します。不動産会社や専門家のサポートを受けながら、適切に対応していきましょう。


この記事を参考に、売却を成功させる第一歩を踏み出してみてください!


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松下貢

資格:・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・宅建マイスター・住宅ローンアドバイザー

私は、浜松生まれ浜松育ちの浜松っ子です!
高校まで野球を続けていました⚾
野球で培った誠心と助け合いの心、常に感謝を忘れない事を念頭に仕事をしています。
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